液体の異物検査はどのように行われるのか

ジュースやコーヒーなど様々な飲み物が販売されているのですが、そんな飲み物の中に異物が混入していると驚いてしまいますよね。そのような場合は販売しているお店だけではなく、製造している業者側も異物の原因を特定するための異物検査を行うようになっています。

そこで今回は、液体に対して行われる異物検査の方法などについて紹介していきます。

磁性を活かした異物検査で安全が守られている


液体の中に混入しやすい異物の種類としてはいくつかありますが、その中でも多いと言われているのが虫です。虫はどんなに清潔な環境を維持していたとしても隙間などから侵入してくる可能性があり、液体を取り扱っている工場内にも少なからず存在していると言われています。

そして液体を何らかの容器に入れる際に誤って混入してしまうケースが多く、虫が小さければ小さいほど発見が遅れてしまいますよね。その結果、虫を混入したままの液体が出荷・販売され、消費者の手に渡った段階で発見されてしまうというケースが珍しくないのです。

ほかにも液体の中に混入しやすい異物としては、製造過程で落ちてしまった金属片が挙げられています。ほかにも製造途中で破損してしまった容器や機械の欠片やほこりなどの汚れも混入するケースがありますし、液体の内容によっては原材料の一部が混入してしまうという事も考えられるようです。

このように液体には何らかの異物が混入する可能性がありますが、全てが危険なものというわけではありません。

飲料などの液体の中に異物が混入する原因として考えられるのが、液体の製造過程で何らかのミスや問題がある点です。例えば虫が混入してしまっている場合は、液体を製造している環境の衛生面に問題があったり虫が侵入できるような場所があることが考えられます。

また金属片などが混入する原因としては機械の整備不良や何らかのトラブルによる破損が考えられますし、人の手によって誤って破片が混入してしまうという可能性も少なくありません。埃などの汚れに関しては機械の整備不良や清掃面が行き届いていないこと、液体を製造している環境の衛生面が問題となることも考えられます。

このように液体に異物が混入する原因はその製造過程にあるため、異物が侵入しないようにするためには製造過程で注意しなければいけません。それでも異物混入が全くなくなることは難しいので、誤って液体に異物が混入してしまった場合はその内容と原因を特定するために異物検査を実施することが必要となるのです。

食品の異物検査とは?どんな検査方法がある?

液体に異物が混入してしまった場合に行われる異物検査の目的は、混入した異物を特定することです。また製造した液体の中に異物が混入しているかどうか製造過程で検査が行われることも多く、異物混入の予防対策として実施されていることもあります。

そんな液体の異物検査の方法としては、専用の機械や装置を用いたものが代表的です。

専用の機械や装置に液体の入った容器を取り付けることで液面や液中に浮遊している異物を発見することができる以外に、容器の底に沈殿している異物に関しても検査をすることが可能となります。機械や装置の種類によっては混濁している液体や粘土の高い液体内の異物も検査できるものがあり、用途に応じて様々な機械を使った検査が可能です。

そのため異物検査をする液体に応じて適した機械や装置を使う必要があり、液体のどの部分を検査するのかという点も踏まえてより多角的に検査できるような方法を選ぶことが大切だと言えます。

液体中の異物を検査するための機械や装置は、様々なメーカーから製造販売されています。その中にはカメラ撮影による検査ができるものや、光の乱反射を利用して液体内の異物を確認することができるものなど、それぞれ特徴を持った機械や装置となっています。

また液体の異物検査をする時に見誤ってしまいがちな気泡を識別することができるものもあり、より正確な検査ができる機械や装置も開発されているのです。このような機械や装置はいずれも大型のものとなっているため、異物検査できる液体の量や容器の本数もかなり多めに設定されているところがポイントだと言えます。

ちなみに機械や装置によっては液体の内容物に影響を与えてしまう可能性があるため、液体の内容物に合わせた検査ができる機械や装置を検討しなければいけません。特に特殊な成分が入っている液体や粘土が高い液体の異物検査をする場合は、より精密な検査ができるものを選ばなければ異物を発見することが難しい場合もあります。

飲料などを購入した際、何か液体の中に浮遊している・沈殿しているという場合は、明らかに目視で異物が混入していることを発見することができます。その異物が虫であった場合は液体から取り出して観察すれば、ある程度の大きさの虫であれば目視で確認することは可能です。

ほかにも金属片や埃などの汚れの場合も、ある程度形が残っているものは自分たちでも簡単な異物検査をすることができますよね。ただこれはあくまでも目視で確認できるものに限られていますし、混入した異物が飲料などの液体に何らかの影響を与えているのかどうか判断することはできません。

このため自分たちで液体の中に異物が混入していることをある程度確認することができても、詳細を確認することは難しいと言えます。そのため異物が混入していると分かった段階で液体を製造販売しているメーカーに問い合わせるか、保健所に持ち込んで異物検査をしてもらうことが大切です。

その結果として何らかの影響がないと分かれば問題はありませんが、何らかの影響が出ると判断された場合は早急に医療機関を受診する必要があります。

このように液体の異物検査は、単純に異物が混入しているか確認するだけではなく、混入した異物の内容やその影響を検査するためのものとなっています。ただ異物検査そのものは機械や装置によって精密性の度合いが異なっているため、場合によっては異物が発見できないという可能性もあります。

また複数の異物が混入していると見逃してしまう可能性もありますし、それによって人体に何らかの影響を与えてしまう可能性も考えられるのです。このため液体の異物検査をお願いする際には、機械や検査の精密性が確かなものかどうか確認する必要があります。